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『和柄なトランプ欲しくない?』

 そんな思いから『やまとかるた』は始まりました。

 和風なトランプは数あれど、スートはハート(心臓)、ダイヤ(金)、クラブ(棍棒)、スペード(剣)と欧米の風習や文化が反映されたもののまま。和洋折衷と言えば、そうだけど、なんだかしっくりこない…。


 そこで日本独自のスートが作れないか、と、色々な資料やトランプの成り立ちなどを読んでいて、日本の『四季(春夏秋冬)』をモチーフにスートを作ったらどうだろう…? と閃いたのでした。

 日本には明確な『四季の移ろい』があって、風物詩もたくさんある、その中から、日本人なら誰もがその季節を連想する『モチーフ』をスートに落とし込む。そうして出来たのが『やまとかるた』のスート達。その後は、JQKを『松竹梅』に置き換えて、イラストは『花鳥風月』の風景にしたら雰囲気出るかも…。とアイデアが次々と浮かんできて、『やまとかるた』が出来上がりました。

スートは『日本の四季』

『やまとかるた』のスートは、日本の『四季』をモチーフに、それぞれの季節を連想できるものにしました。

春の『桜』、夏の『花火』、秋の『紅葉』、そして、冬の『雪』です。

 スートと対になっている『柄』これも日本の伝統的な柄を季節のイメージに合わせています。

 さくら札『霞-かすみ-』

 霞は春の季語であり、風にたなびく霞の様子を描き出した模様です。柔らかなシルエットが暖かくなりつつある気候を表しています。


 はなび札『青海波-せいがいは-』

 波を表した幾何学模様で、大海原の穏やかな波のように穏やかな暮らしがいつまでも続くようにという願いが込められているようです。


 もみじ札『籠目-かごのめ-』

 竹籠の網目を模様化したもので、星形は邪を払う力があるとされていて、星型が連続しているように見えることから、『魔除け』の文様とされているようです。


 ゆき札『市松模様』

 世界中で見られるチェック模様ですが、日本では歌舞伎役者が衣装に用いたことから、その役者にちなんで市松模様と呼ばれ流行ったようです。

 季節ごとに色を分けたのは、従来のトランプが基本的にツートーンで構成されているので、差別化の意味もあってスートごとに色を分けてあります。

 『やまとかるた』のスートは強さ(優位性)を持っています。
 さくら(春)>はなび(夏)>もみじ(秋)>ゆき(冬)の順です。簡単に言うと、同じ【壱】札なら、さくら(春)が一番強く、ゆき(冬)が一番弱い事になります。これは日本の春が『始まりの季節』となっていることにちなんでいます。

※必ずしも『やまとかるた』のスートの優位性を導入して遊ぶ必要はないですが、この特性を活かして遊ぶとまた違ったテイストになって面白いかもしれません。因みにスートの強さを従来のトランプと同じにする場合は、

​ ゆき(冬)>もみじ(秋)>はなび(夏)>さくら(春

となります。

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絵柄(JQK)札は松竹梅で『花鳥風月』

 トランプの絵柄札(J・Q・K)は人物が描かれていますが、『やまとかるた』はテーマが『四季(春夏秋冬)』なので、風景を描きました。モチーフにしたのは、昔から描かれてきた『花鳥風月』で、 スートごとに『花(さくら札)』、『鳥(はなび札)』、『風(もみじ札)』、『月(ゆき札)』の風景イラストになっています。


 絵柄札(J・Q・K)の置き換えが一番の悩みましたが、これも日本ではお馴染みの『松竹梅』で置き換えることにしました。元々『松竹梅』に順位はなかったようですが、今では『松』が最上級となっていますね。

 『やまとかるた』においてもトランプ同様に、基本的に最上位は【壱(Ace)】ですが、ゲームによってはその限りではありません。

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ジョーカーは『傾奇者』

 トランプにおいて、最強の切り札にもなる『JOKER』は、その性質から“傾奇者”にしました。
 日本の伝統芸能『歌舞伎』の語源ともいわれ、“異風を好み、派手な身なり、常識を逸脱した行動をする者たち”と言った意味です。イラストは歌舞伎に欠かせない『隈取』を、トランプのスートを使って描いています。

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最後に、なぜ『かるた』?

 現在のトランプが日本にやってきたのは明治の頃、それ以前の16世紀に伝来したポルトガル・スートタイプはポルトガル語で「carta」と呼ばれていたそうです。日本でもそのまま『かるた』と呼んでいたことにちなんで、日本の古称である『大和(やまと)』を加えて、『やまとかるた』としました。

やまとかるた よもやまばなし
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